2010年3月11日木曜日

猫目穴

目を閉じる(細くする)ことのできるぬいぐるみは、手間はかかりますが、作り方はそんなに難しいものではありません。

目の部分を二重構造にして、下の布に目玉を取り付け、上の布は目の形(猫ならアーモンド形)にくりぬくのです。くりぬいた縁は伸びやほつれを防ぐため、ボンドを塗って乾かします。最後に目尻と目頭を一針ずつ縫い止めます。
下の布に白を使うと、隙間からのぞく部分が白目のように見えます。

ぬいぐるみの目は球形のカーブがきついので、どうしても隆起して見えます。
ボタンアイなら縫いつける糸を強く引くと奥目になってかわいいものの、しっかりわたを詰めておかないと、頭の形がゆがんだりします。座金タイプや差込型は、糸を使わないのでよけい飛び出ます。

二重構造にすれば、目が引っ込んで、比較的自然な感じです。ただしまぶたをめくると変になるし、無理やり目を閉じさせることを繰り返すと、糸が切れたり壊れたりします。

数ヶ月前から取り組んでいる黒猫のぬいぐるみですが、なんやかやと雑用が入って、カタツムリよりも遅い歩みです。
このたびやっとボディと頭を縫い終え、形が見えてきました。

ところが!
目の部分をくりぬいて目玉合わせをしたところ、なんとなくいびつなのです。よくよく検分したら、くりぬいた位置にずれがありました。片方の目が2ミリほど上にあるのです。
黒い布は印がつきにくく消えやすいから、間違えやすいのです。もっと慎重に切るべきでした。

大きなぬいぐるみだから、2ミリくらいのずれは重大事ではありません。気にしなければ大丈夫・・・なのだけど、やっぱり気になる。
上に位置する目の下まぶたを1ミリ、反対側の目の上まぶたを1ミリ、それぞれ切り広げることにしました。そうすれば誤差が1ミリに縮まる計算。

と、ところが!
切ったあと気づきました、両方とも逆に切ってしまったことに。なんという大ポカ。
誤差は3ミリ、じゃなかった4ミリに拡大。もはや修正不可能。

こんな日はケーキでも食べて完全休養・・・と思ったけど、気を取り直して頭だけ作り直すことにします。
いつになったら仕上がるんだろ。ふう。

猫ぬいぐるみ頭

6 件のコメント:

もるふぃん さんのコメント...

毎回、興味深く読ませていただいております。
とくに、今回の記事は興味を引きました。

現在、ルノさんのサイトを参考に布人形を作っている最中なのですが、これに、グラスアイを使って瞼を作ろうと考えています。
今回はぬいぐるみに、ということですが、少し質問があります。
この場合、下の布と、くりぬいた表のボアの間に目のパーツが挟まっていると考えてよろしいのでしょうか?
また、これを表布がジャージーでためしたことはありますか?

ルノ さんのコメント...

こんにちは。ご訪問ありがとうございます。

おっしゃるとおり、目のパーツは下の布と上の布の間にはさまっています。
ジャージーで試したことはありません。伸びるからやりにくいのではないかでしょうか。

これに関しては、菊池ともゆき氏の『人形箱』という古い本に、参考になるかもしれない事柄が載っています。
人形の顔の土台に目を埋め込み、上から薄い革やジャージー布をかぶせて(単にかぶせるのではなくボンドでぴったり貼りつけていました)、目の部分の革やジャージーをカッターで切り抜くという方法です。
目のパーツがまん丸でも、切り抜く形をアーモンド形にすれば、わりとリアルにできるのではないかと思います。

もるふぃん さんのコメント...

ていねいなコメントをありがとうございました。

それなら布の端がほつれることも、ずれることも少なそうですね!

顔に取り掛かるまではまだしばらくかかりますが、がんばってみます。

ルノ さんのコメント...

あ、補足です。
土台は布にパッキンを詰めたものに紙粘土をかぶせて形作っていました。わたを詰めた布に布を貼りつけると、どうしてもデコボコになります。

もるふぃん さんのコメント...

やはり、いきなり布の上では安定しないんですね。

非常によいことを聞きました。


こちらを拝見して思うのですが、本当に小さな手間も惜しまずに試行錯誤を繰り返さないと、よい作品はできないものですね。

これからも少しずつですががんばります。

ルノ さんのコメント...

手間を惜しまずに・・・が理想としても、現実はなかなか厳しいものです。手間をかけても、いいものができるとも限らないし・・・と悲観的なことを考えるのはやめにしまして。^^;

もるふぃんさんもずいぶんお手間をかけて凝ったお人形をお作りのようですね。完成が楽しみです。