2012年2月29日水曜日

しつけが悪い

ぬいぐるみを縫うときに厄介なのは、布がずれることです。

厚手の布やすべりやすい合皮などでは、待ち針をきちんと打っても、しばしば縫い目がずれてしまいます。待ち針は斜めに刺さるから、その分を考慮してはいるのですが、ミシンがけの最中になぜかずりずりと動いてしまうんです。
とりわけ毛足の長いファー布などでは、裏側は完全に布から外れて毛だけを縫っていた、なんてことも起きたり。

厚手の布がずれないようにするアタッチメントを取りつけたこともありますが、非常に縫いにくくて、数回使ったきり、しまいこんでいます。

結局、面倒でもしつけをかけて縫うのが最短かな。いや、そうとも限りません。

しつけをかけるときは縫い線のやや外側を縫い、縫い線をミシンで本縫いするというのが一般的と思います。
そこまではよろしいのですが、実際にミシンをかけると、かけた側は正しく縫えていても、裏側は縫い線からずれているということが、まま起こります。しつけがずさんで、斜めに糸が渡っているのです。全然しつけになっていない。

たいしたずれじゃないと妥協して、しつけをほどこうとすると、これがまたたいへん。ミシンの針目がしつけ糸の真上にかかっていて、糸端を引っ張ればすっと抜けるという状況ではないのです。それは主に裏側で発生しますが、ときには表でも。
しつけ糸なんてとっても細くて、狙っても真上を縫うのは難しいのに、避けたときに限って真上に来てしまうのは、皮肉なことです。

わかってますよ。単に私がヘタっぴなだけ。

最近ではしつけを地縫い糸(ミシン糸)で縫うことにしました。針目は小さく、一針一針垂直に刺して針を抜き、しっかりと糸を引き締めます。そしてその1ミリ内側をミシンがけ。しつけはほどきません。このほうが楽です。
しつけをかけるのは、顔や脚の付け根など、細かい部分や、ずれたら困る要所要所くらいですが、そういう手間をかけるから、縫い上げるのにけっこう時間がかかってしまうのです。

『鍋島知津子の動物のぬいぐるみ』という本で使われている方式は、縫い線を示さず、布を縫い代込みでカットして、布端をそろえて5ミリ内側を縫うというものです。
この方法は慣れればやりやすいはずですし、縫い代の幅が統一されるから、きれいな仕上がりです。
普通の洋裁にも応用できます。ミシンには目盛りがついていて、そのような縫い方ができるようになっていますから。

ただし、何も印がない部分を縫うことにどうもなじめず、私には向いていないようです。
私は縫い物に関して素人なのです。

手縫いの基本である、玉結びと玉留め・・・これさえもちゃんとできないんですよね。
玉結びを作れば、絶対に玉は糸の端っこにできず、余分な糸をはさみで切るはめになります。
玉留めは縫い終わりの場所に針を当て、糸を巻きつけて抜くだけなのですが、いつもいつも針が浮いてしまい、これまた糸が余るのです。余った糸を結び直して大きな玉にするなど、なんだかんだと、もたついています。

こんなふうに不器用な私ではありますが、結果的にモノができあがるんだから、たいしたことじゃないや。と、自分に言い聞かせています。

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