2010年1月30日土曜日

編み込みニット

編み物を長年していないと書きましたが、編むことはけっこう好きです。縫い物と違って散らからないし、ひとところにじっと座って手を動かすだけという点が性に合っているのかも。

人形のセーターやカーディガンは小さいから、かなり凝ったものでも比較的日数がかからずに出来上がります。むろんセーター1枚に「日数」をかけていては、まるきりショーバイになりません。だからやめちゃったんですけど。

毛糸の在庫は衣裳ケース1個分ありますが、蓋を開けるのは、人形の髪に適した毛糸を探すときくらい。

人間用のニットはえんえん同じことを続けるわけだから飽きるし、自分ではウールをほとんど着ないので(手洗いが面倒だしー)、編む気になりません。

昔ヒマだったころはいろいろ編んでいました。

これはうちの猫をリアルに模写した編み込みセーターです。母のために中細毛糸で編みました。なんだか表情がブキミ・・・ま、こんな顔ですよ。
ピンクと白黒程度しか使っていないように見えますが、目や陰影の部分などにさまざまな色が組み込まれています。

猫セーター

橋本治のニット本『男の編み物、橋本治の手トリ足トリ』に触発されたのですが、この本に載っているようなすごい作品には、デザインの時点からすでに及びません。
当時はパソコンで製図なんてことは考えず、方眼紙にせっせと手描きしました。

編むスピードが遅いせいもあって、数週間かかった記憶があります。
背中に猫爪の引っ掻き模様をだーっと走らせる予定だったけど、それも挫折。
手編みは前だけでうんざりしたので、後ろと袖とゴム編みは編み機を使いました。古い編み機は細い毛糸に向いていたんですよね。

その編み機もとっくに処分しました。
今後編み物をすることはまずないと思います。

2010年1月29日金曜日

ゴムキャップ

人形やぬいぐるみの細い手足に綿(わた)を詰めるのはけっこう面倒です。平均に入らずデコボコになったり、左右が違ったりして。
私は人形作りにおいて、土台にわたを詰めそれをストレッチ肌布で包むという手の込んだ方式を採用しますが、これはわた詰めのまずさをごまかす効果もあるのです。
とにかくわた詰めは人形作りの過程で一番重要で難しい作業です(かの中原淳一もそのようなことを言っていました)。

わただけならともかく、その中心に針金を入れるとなると、さらに困難度はアップ。
数をこなしているうちに、多少は上達しましたが。

針金で別の問題点は、わたを詰める最中に怪我をするおそれがあるということです。実際、何度も引っかけて手に傷をつけました。
そうならないように、長めにとって端を丸めておくことが多いのですが、丸めるとわたを巻きつけるのに邪魔になるので、だんだん伸ばしてしまったり、なんとか詰めていても、丸めた中心に指が触れて怪我をしたりで、なかなか危険は去りません。

先だって、針金の代わりにテクノロートを使う話をしました。テクノロートは端に触っても痛くも危なくもなく、安全な素材です。ただし性能に問題ありとはすでに述べた通り。
で、針金とテクノロートを混在させることにしたのですが、なにぶんテクノロートは高価です。できるだけギリギリにカットしたいので、丸める余裕がありません。

何かいい方法はないかと思案したら、ゴムキャップを思い出しました。
棒針編みで、編み目を休ませるとき、毛糸がすっぽ抜けないようにかぶせておくものです。一般的な棒針は片端に玉がついていますが、玉なしの針にかぶせると玉つきと同じに使えます。

さっそく取り出してかぶせてみたら、わりと具合がいいように思えました。丸めたときよりも詰めにくいのは事実ですが、しっかりはまって抜けにくいので危険は軽減されます。

が、しばらく使っているうちに、一部がボロッと欠けてきました。別のものはひび割れたり、ぐにゃりとゆがんで針金が飛び出たり。

棒針キャップ

よく見たら、これまたゴムが劣化していたのです。ずいぶん古い品だからやむを得ないとは思います。編み物も長い間していなくて、気づきませんでした。

高い商品ではないからまた買えばいいのですが、ゴムってほんと扱いにくいものですねえ。